上の曲のジャケットを見たことがある人も多いでしょう。サイケデリックロックを代表するバンド、13th Floor Elevators13thフロア・エレベーターズ)のファーストのジャケットです。

 このバンド、曲の基本的な骨組みは至ってロックといった正統派で、キャプテン・ビーフハートやフランク・ザッパほど逸脱したものではありません。
 しかし、
 ・深いリバーブがかかったボーカル
 ・トゥクトゥクなってる謎の音
    (ジャグとかいう楽器らしいです。楽器というか瓶笛に近い)
 ・曲ごとにしっかり音作りされたギター
 ・気持ちのいいベースライン
 ・下地に徹するドラム

 
といった具合に、骨組みを埋める肉が独特かつサイケデリック。例えるなら「スポンジは普通なのにデコレーションが混沌としているケーキ」。

 また、ギターが非常に良い仕事をしています。フレーズ自体はブルースを基調としていますが、非常にアシッド感がある独創的なフレーズであり、音もすばらしい。このバンドの魅力のひとつです。

名盤
 名盤といっても発表しているアルバムは4つです。しかも「Live」というアルバムは調べてもほとんど情報が無く、実質アルバムは3つといって良いでしょう。
1、「The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators」
2、「Easter Everywhere」
3、「Bull of the Woods」
 これら3つです。


1、「The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators」
B003VY8PZYPsychedelic Sounds of
13th Floor Elevators
Charly (UK) 2010-09-29

by G-Tools

【収録曲】
1. You're gonna miss me
2. Roller coaster
3. Splash 1
4. Reverberation
5. Don't fall down
6. Fire engine
7. Thru the rhythm
8. You don't know (how young you are)
9. Kingdom of Heaven
10. Monkey Island
11. Tried to hide

 このアルバムがもっとも有名です。アシッド感が非常に強く、ボーカル、ギター、ベース、ドラムがサイケに吼えます。

2.Roller Coaster



5.Don't Fall Down

 「You're Gonna Miss Me」は13th Floor Elevatorsの代表曲。
 「Roller Coaster」「Reverberation」「Fire Engine」「Tried to hide」は非常に特徴的なイントロ。ぜひともギターでコピーしたくなる。
 「Don't Fall Down」「Thru the rhythm」などはやや落ち着いたナンバー。
 まさにサイケデリックといった曲のオンパレード。サイケ好きなら持っておきたい一枚。


2、「Easter Everywhere」
B004DK49S2Easter Everywhere
13th Floor Elevators
Snapper UK 2011-04-19

by G-Tools

【収録曲】
1. Slip Inside This House
2. Slide Machine
3. She Lives In ( A Time Of Her Own)
4. Nobody To Love
5. Baby Blue
6. Earthquake
7. Dust
8. I've Got Levitation
9. I Had To Tell You
10. Postures (Leave Your Body Behind)

 1stほどのパワーは感じないものの、燃え尽きたというよりは角が取れたといったところ。むしろ完成度は1st以上だと思います。



1. Slip Inside This House


6. Earthquake

 一発目から「Slip Inside This House」という7分越えの曲。内に秘めるパワーを感じるような曲。ギター2本の絡みが良いイントロ。
 「Nobody To Love」はサイケデリックなイントロから入る曲。ボーカルの向こうに行ってる感がアシッドを感じさせる。比較的グッドトリップな雰囲気。「Nobody to love」のコーラスが印象的。
 ァズギターで始まる「Earthquake」このアルバムの中ではパワフルナンバー。ベースラインがうねるうねる。まさに「earthquake」といったところ。
 特にラストの「Postures (Leave Your Body Behind)」は名曲。グッドトリップ的なコード進行がクール。転調したところのかっこよさはさすがのひとことにつきる。個人的にこのアルバムのベストナンバー。


3、「
Bull of the Woods」
B004MTJHSGBull of the Woods
13th Floor Elevators
Snapper UK 2011-04-19

by G-Tools

【収録曲】
1. Livin On
2. Barnyard Blues
3. Till Then
4. Never Another
5. Rose And The Thorn
6. Down By The River
7. Scarlet And Gold
8. Street Song
9. Doctor Doom
10. With You
11. May The Circle Remain Unbroken

 かなり落ち着いたアルバムです。エレベーターズの特徴である。トゥクトゥク音もほとんどなくなりました。しかし、雰囲気は変わったもののクオリティは健在。決して悪いアルバムではない。よくまとまっており、落ち着いたサイケが好きな人には合うかもしれない。


4.Never Another

 「Barnyard Blues」「Never Another」「With You」の前作のようなアシッド感こそないものの良くできた曲が多いです。また、1st、2ndでなかったホーンセクションも取り入れた曲があります。
 このアルバムに賛否両論あるのは「エレベーターズじゃなくなった」感じがするからでしょう。確かに音楽性の変化を感じます。しかしながらもの自体は良いです。
 アルバムを3→2→1の順で聴くとアシッド感が増して行くように感じるので良いかもしれません。
 

 凄いバンドです。サイケデリックロックの定番でしょう。